“18歳になるまで日本で暮らしたフランス人の多く(いや、ほとんどかもしれない)が選ぶのは、フランスよりも日本だ。
なぜか。
彼らは日本社会の柔和さや格差の小ささ、日常生活の質の高さを知っているからだ。日本とフランスの両方で税務署や郵便局を利用したり、郊外の電車に乗ってみればよく分かる。
日本は清潔で効率が良く、マナーもいい。
フランスのこうした場所は、不潔で効率が悪くて、係員は攻撃的だ。2つの国で同じ体験をした人なら、100%私の意見に賛成するだろう。
将来を考えても、多くの点で日本のほうが明るく見える。日本人は、今や長年務めた会社にさえ首を切られかねないと嘆くかもしれない。
だがフランスでは、中学や高校、大学を卒業しても仕事がない。
この年齢層の失業率は15?20%に上る。30代になるまで働かないという学生が大勢いる。
それにフランスの給料は安いし(企業が儲けているのは確かだが、給料は安い)、同じカネを出して買えるものは一般的に日本よりも少ない。日本では、例えば川崎の安アパートでさえ、少なくとも清潔で安全だ。
パリ郊外のアルジャントゥイユは違う。日本では700円で満足な食事ができる。
フランスは違う。日本では6歳の子供が1人で通学できる。
フランスは違う。違うのだ。”
文:レジス・アルノー1971年、フランス生まれ。仏フィガロ紙記者
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